キャヴィスト林氏のワイン会 @Dodici Maggio
キャヴィストは一流レストランなどで”ワインカーブの番人”として膨大な数のワインの管理やセレクトなど全般を担う職業。
名門トゥール・ダルジャンの本店となるとそのワインの数は50万本ともなるのだそう(@_@;)
その全てのワインの情報や状態、位置が全て頭に入っているという・・・凄すぎます!
ワインを飲み始めて少しした頃(10年以上前)に何かの本で林さんの存在を知り、(すごい日本人の方がいるんだなぁ)とそのお名前と共にずっと記憶していました。
その林さんのプライベートワイン会に参加できるチャンスを頂けるとは光栄ですっ!
田舎勤めゆえにふだんはなかなか平日夜の名古屋の集まりは参加できない私ですが、今回ばかりはと有給休暇取ってw万端で臨みました(*^^)v
林さんは年に2、3度帰国されるそうで、そのタイミングに合わせて各地のお知り合いのお店でワイン会を開催されるそうです。
久屋大通の『Dodici Maggio(ドディチ・マッジョ)』
言わずと知れた名古屋の神的存在のイタリアレストラン。
前回のランチ以来、かなり久々の訪問でした。
ワインと共にお料理もかなりワクワク~(*^_^*)
参加メンバー10名のうち、半数の方はよく知った面々でしたが他の方々もお名前は耳にしたことのあるような(お友達のお友達的な)方が多く、やはり名古屋のワイン界は狭いですよね(笑)。
こちらが林氏。
安定感のある?体格に加え 柔らかい物腰でお話しされるので、とてもリラックスした気持ちで会を楽しめました。
カジュアルシャツにハーフパンツという出で立ちは 風の強かったこの日の寒さを忘れさせてくれるよう(笑)
基本的に年中薄着なんですって。
ワインと一緒にずっと12℃の環境で過ごしていると、体温コントロールも自在にできるようになったりして^^?
いよいよ最初のグラス。
実はこの会、ブラインドテイスティングという趣向と伺っていたのでちょっとドキドキでした☆
テイスティングをする機会もめっきりなくなってしまった上に、高級しかも熟成ワインを味わった経験値も乏しいし~(汗)
かなり黄色みが強くなって熟成を感じさせる色調と香り。
泡の立ちはほぼなくなっているけれど、シャンパーニュグラスだし 他の方のグラスに僅かに立つ細やかな泡が見えたのでスティルじゃなくて熟成シャンパーニュだよね。
アーモンドのようなナッティーな香りを感じるのでシャルドネ主体?
KRUG
80年代のものだそう。
30年も経つとシャンパンコルクも開かない(元の形に戻らない)んですね~
アミューズ
フォアグラのテリーヌ アーモンドのチュイルを添えて
香ばしいアーモンドの香りが共通となったのは偶然とのことでしたが、林さんと今村シェフの阿吽の呼吸というところでしょうか♪
さすが長いお付き合いの成せる技です^^
そして次なるミッションは スティルの白。
色調はそれほど濃くはなく。
酸味は強くなく、甘口とまではいかないけどトロリとしたコンポート的な甘味を感じますが、温暖な土地という感じはしないので品種由来?
でもリースリングやゲヴェルツという感じでもないなぁと思っていると、同席の方の「シュナン・ブラン?」という声に”あ、それかも。”と思ったけれど、それも違うとのこと。
ひと通りソレっぽいニュアンスの品種名が挙がっても正解はなかったようで、ボトルオープン。
サンセール キュヴェ・ポール 2003 /フランソワ・コタ
なんとこれがソーヴィニヨン・ブランですとな?!
S・Bぽい青さやハーヴィーな香りは全く拾えないわ~^^;
後から調べてみたら、このフランソワ・コタはサンセールの中でもひときわ異彩を放つ唯一無二の造り手であり、彼のサンセールを語る時はいわゆるすっきり爽やかなサンセールの先入観やイメージを捨てるべきだとか。
テロワールに忠実な伝統的な栽培法、収穫は全て手摘み、そしてこの地域で誰よりも遅く収穫することで熟成したブドウからボディのある複雑なワインが造られるのだそう。
なるほど、って感じです~
このキュヴェはほとんど外に出回ることのないレアなものだそうです。
ミル貝、あわび、白魚、フルーツトマトの冷製パスタ
うんまっっ!!!
特にフリットにされた白魚の美味しさといったら・・・!
外はごくごく軽いサクッと感、中は甘味のあるふわっとした柔らかさ。
フルーツトマトも絶品でした。
テンポよくサンセールのグラスを空けてしまった人(私を含む。)には、今村シェフのお気遣いでフレッシュなソーヴィニヨン・ブランと、こちらのアンティノリのシャルドネを頂いちゃいました。
前菜盛り合わせ
ズワイガニと国産ブラッドオレンジのジュレ
河豚のにぎり 筍と木の芽入り
自家製カラスミと雲丹の餅カナッペ
次はいよいよ赤ワイン
早速、橙色を帯びた十分な熟成を感じさせる色調。
湿った、土やキノコを感じる香り。
色調も味わいもほどよく強さやタンニンを感じるのでピノ・ノワールっていう印象はない。
カベルネまではいかないような気がするけど、長期熟成したものならここまでの透明感やしなやかさも出るかも・・・
などと悩んでいたけど、回答まで至らないままボトルオープン。
シャトー・ヌフ・デュ・パプ 1985 / Francois Prothean
おぉぅ、パプでしたか・・・
オマール・ブルー
うわ~ これも絶品!
貴重なオマール・ブルー、昨夏ココで頂いて以来の2度目。
時期や調理法の違いもあるとは思いますが、その食材の待つ魅力をあらためて実感しました!
ブルターニュの海で育ち上質な塩味を含んだ身質はとてもジューシーで肉厚、旨みがたっぷり。
次の赤ワインはボルドーグラスで登場。
これもしっかりと熟成を感じる橙色が強くなった色調。
透明感があり色自体はそれほど濃くないけど、口に含んでみると丸くなってはいるけどほどよく渋味も感じられるし酸味もあまり感じないのでピノ・ノワールでもないような・・・。
後味にほんのりと甘味を感じるのが気になるけど、何由来の甘味かしらん?
Reserve des Cordeliers (A.C.ブルゴーニュ) 1976 /Caves des Cordeliers
ボーヌにある13世紀からの修道院をそのまま残したカーブのようです。
それにしても40年物のA.C.ブルゴーニュって・・・驚き!!
しかも全然枯れてないし。
そんなポテンシャルのあるA.C.ブルってあるのねぇ(@_@;)
もちろん完璧な熟成管理あっての賜物だと思いますが。
1976年はとても暑い年だったそうで、その十分な糖度が長期熟成に耐え得る底力とあの甘味に繋がるわけですね~
松坂牛のラグーの手打ちパッパルデッレ 黒トリュフがけ
松坂牛の濃厚なラグーの美味しさももちろんのこと、各皿にすりおろした瞬間からテーブルは黒トリュフの芳醇な香りにすっぽり包み込まれ、みんな深ーく息を吸い込みながら?酔いしれたため息をもらすのでした。
今が最も旬だという黒トリュフ、旬のものは海藻のようなヨード香を感じるものなんですねぇ~
そして次の赤ワインはブルゴーニュグラスで登場。(グラス写真撮り忘れました)
これまた悩ましいなぁ。
ブルゴーニュグラスではあるものの、ピノであるかさえも自信ナシ☆
というかトリュフの香りに浸り早く美味しく味わいたくて、もはや考えること自体を放棄しかけてました(笑)。
ECHEZEAUX 1972 /F.Chauvenet
うーん、私って全然ダメダメねぇ^^;
セコンドは トスカーナの小鳩(ピッチョーネ)
パリッと香ばしい焼き目もありつつジューシーなお肉の下には、レア状態の濃厚な肝臓もフォアグラばり。
添えられたホワイトアスパラも美味です。
小さな蕪のこれまたちょっぴりついてる葉っぱんとこも実は大好物。
そしていよいよFinalは大きなブルゴーニュグラスで。
これも透明感があり十分な熟成を感じる色調。
終盤ともなるとテイスティングコメントもろくに残ってなくて・・・スミマセン☆
ボーヌ・ブシュロット 1967 /ルイ・ジャド
ポマールとサヴィニィ・レ・ボーヌに挟まれた広大なA.O.Cボーヌには グラン・クリュはないものの多様なプルミエ・クリュがあり、このブシュロットはわずか0.21haながら深い粘土質土壌がワインに瑞々しい印象を与えるとして上位10のプルミエに含まれると認められているそう。
ドルチェ アール・グレイのジェラートと タルト・タタン的なリンゴを焼いたデザート
シナモンの香りが立ちこめ、最後の赤ワインと合わせて美味しく頂きました。
ひと通りのワインと料理が出たところで、林さんや今村シェフからざっくばらんな楽しいお話を聞いたり ^^
最後はみんな入れ替わり立ち代わりで記念撮影♪
林さんと、今回お誘いくださったKさんと。
今回の林さん’s セレクション。
希少なワインばかり、ありがとうございました。
これらの古酒たち、林さんはコレクションとして保有しているわけではなく、予定が立ってから入手するのだそう。
逆にびっくりでしたが、こんな超古酒を自在に手配できるのはさすが!ですね~
久しぶりに素晴らしい古酒ワインの数々を ドディチさんの美味し~いお料理で堪能でき極上で至福の時間でした。
林さん、今村シェフ、そしてお声がけくださった幹事のKさん、感謝です♡
ありがとうございました~m(_ _)m
ワインもお料理も内容が濃いので、久々にボリュームいっぱいの記事になってしまいましたが^^; 最後まで読んで下さった方、ありがとうございます。